窯業系サイディングの塗り替え|業界団体の点検項目と補修方法

最終更新:2026年11月1日

窯業系サイディングは、日本窯業外装材協会によると新築戸建て住宅の外壁の約80%に使われている外壁材です。表面の塗装と、板と板の間のシーリング材は永久的なものではないため、定期的な点検と塗り替えが必要になります。このページでは、同協会の公開資料の記載だけで、点検と塗り替えのポイントを整理します。出典の確認日:2026年11月1日(出典は各節の末尾に記載)

窯業系サイディングとは

  • 規格と原料日本産業規格(JIS A 5422)に規定され、セメント質原料、繊維質原料および混和材からなる混合原料を成型、養生・硬化した板状の外壁材です。
  • 寸法厚さは14mmから26mmまでさまざまで、長さは3,030mmまたは1,820mm、幅は455mm・910mm・1,000mmが主流です。
  • 表面塗装アクリル系から、シリコン系、フッ素系、無機系塗料などを工場で塗装したものと、現場で塗装するための無塗装のものがあります。
  • 用途新築戸建て住宅の外壁として約80%に使われ、店舗・倉庫・オフィスなどの中層非住宅にも多く使われています。

出典:日本窯業外装材協会「サイディングの維持管理はどうするの」(第3版・PDF)(2026年11月1日確認)

点検項目とメンテナンス時期の目安

点検内容点検項目メンテナンス時期の目安
塗装表面の状態褪色・藻・落ちなくなった汚れ・塗膜の亀裂・塗膜の剥離など塗り替え 7〜12年(注:一般的なクリヤー塗装の場合)
シーリング部の状態シーリング材自体の劣化によるひび割れ・剥離など打ち替え等 適宜対処
サイディングの状態サイディングの破損・地震などによって発生した亀裂など、経年による反り・うねりなど部分張り替え等 適宜対処

日本窯業外装材協会は、塗装仕上げの種類や地域・環境条件、使用条件によって劣化の進行が異なるため、メンテナンス時期は一様ではなく、メンテナンススケジュールはあくまでも目安としています。同協会のスケジュール例(クリヤー塗装品を塗り替える場合の一例)では、地震・台風の後など年に1回程度の点検をお施主様が行い、専門業者が定期点検と再塗装・再々塗装、状況に応じた張り替え、シーリングの部分打ち替え・全面打ち替えを行う流れが示されています。

表面を手で軽くこすって白い粉や塗装の色が多めに手に付く場合(チョーキング)は、塗膜の劣化が進行しているとして、施工後の年数を考慮して塗り替えを検討するよう案内しています。

出典:日本窯業外装材協会「サイディングの維持管理はどうするの」(第3版・PDF)、日本窯業外装材協会「メンテナンスについて」(2026年11月1日確認)

エナメル塗装とクリヤー塗装

  • エナメル(有色不透明塗料)塗装劣化は光沢の低下から始まり、変褪色とチョーキング、塗膜の減耗・浮き・割れ、部分的な剝離、基材の露出へと進むと説明しています。塗膜の剝離が始まるまでに、劣化に応じた前処理を行い、エナメル塗装仕上げを行うよう案内しています。
  • クリヤー(透明塗料)塗装意匠層・エナメル塗膜をクリヤー塗膜で保護している仕上げです。クリヤー塗膜の浮きが始まる前が、元の色合い・意匠層を保持するクリヤー塗装仕上げができるメンテナンス時期と説明しています。塗装の種類や表面の劣化が著しい場合は、クリヤー塗装仕上げができない場合があるとしています。
  • 塗料の相性塗られている塗料と再塗装で使う塗料には相性があるため、塗り替え仕様は現状の塗装仕様を確認した上で決める必要があり、事前に住宅会社や塗装工事店に確認するよう求めています。

出典:日本窯業外装材協会「サイディングの維持管理はどうするの」(第3版・PDF)(2026年11月1日確認)

塗り替え前の補修(日本窯業外装材協会の一般的な方法)

  • クラックカッターナイフ等でV溝(幅3〜7mm程度・深さ3〜7mm程度)に加工し、清掃、専用プライマー塗布、パテ充てん、補修塗料によるタッチアップを行う方法を示しています。カット・孔あけをする場合は、サイディングに石綿が含まれていないことを確認するよう注意しています。
  • シーリング外気温5℃以下または被着面が50℃以上の場合、降雪・降雨が予想される場合、目地部や被着面がぬれている場合は施工しないとしています。既存のシーリング材をできるだけ除去すること、三面接着にならないようにすることにも注意を求めています。
  • 経年による反りねじの増し打ちによる補修方法を示し、増し打ちで補修しきれない場合は張り替えなどを検討するとしています。

出典:日本窯業外装材協会「サイディングの維持管理はどうするの」(第3版・PDF)(2026年11月1日確認)

塗り替えの手順

手順主な作業内容(日本窯業外装材協会)
1 事前調査塗装面の劣化(塗膜のクラック、剥離、チョーキング、基材露出等)、基材の劣化(クラック、反り、うねり等)、シーリングの劣化を確認
2 塗料選定塗膜の劣化状況により塗装仕様や塗料を選定し、具体的な塗装仕様を確認
3 素地調整元の塗膜のチョーキング、浮きや汚れなどを高圧水洗やサンドペーパー等で取り除き、十分に乾燥。必要に応じて基材とシーリングを補修
4 塗装工事選定した塗料の塗装仕様に従って塗装。塗装仕様や注意事項(温度や湿度など)は塗料メーカーに確認
5 検査・完成仕上がりを確認し、塗りムラや塗り残しがあれば塗り重ね等を行う

出典:日本窯業外装材協会「サイディングの維持管理はどうするの」(第3版・PDF)(2026年11月1日確認)

窯業系サイディングを適用下地に挙げている塗料の例

製品メーカー製品ページの記載
パーフェクトトップ®Si日本ペイント適用下地:窯業系サイディングボード等の塗り替え。材工価格の欄に「既存の模様を活かす塗り替え・窯業系サイディングボード等」4,350円/㎡(3工程・下塗りがパーフェクトサーフの場合)
エスケープレミアムシリコンエスケー化研適用下地:各種サイディングボードなど
スーパーラジカルシリコンZアステックペイント対応素材:窯業系サイディングほか
無機REVO1000アステックペイント対応素材:窯業系サイディングほか
超低汚染リファイン1000Si-IRアステックペイント対応素材:窯業系サイディングほか

出典:日本ペイント「パーフェクトトップ®Si(遮熱オプション含む)」製品ページ、エスケー化研「エスケープレミアムシリコン」製品情報、アステックペイント「スーパーラジカルシリコンZ」製品ページ、アステックペイント「無機REVO1000」製品ページ、アステックペイント「超低汚染リファイン1000Si-IR」製品ページ(2026年11月1日確認)

見積もりの依頼先

よくある質問

Q窯業系サイディングは何年で塗り替えが必要ですか?
A

日本窯業外装材協会のパンフレットでは、塗装表面のメンテナンス時期の目安を「塗り替え 7〜12年」としています。ただし「一般的なクリヤー塗装の場合」の注記があり、塗装仕上げの種類や地域・環境条件で劣化の進行が異なるため、時期は一様ではないとしています。

Qサイディングの塗り替えを自分でしてもよいですか?
A

日本窯業外装材協会は、高所作業を伴う点検やお手入れ、塗り替えや補修工事はお施主様自身では絶対に行わないよう求めています。メンテナンス工事は家を建てた住宅会社・工務店に相談するよう案内しています。

Qクリヤー塗装で元の柄を残せますか?
A

日本窯業外装材協会は、クリヤー塗膜の浮きが始まる前であれば、元の色合い・意匠層を保持するクリヤー塗装仕上げができると説明しています。劣化が著しい場合はクリヤー塗装仕上げができない場合があるとしています。